土地売却には、一般費用として、①仲介手数料②抵当権抹消費用③測量費用があります。
①仲介手数料
土地売却の仲介を依頼する不動産会社に支払う手数料のことです。宅地建物取引業法によって、仲介手数料の上限が定められています。
その上限ですが、(売却額×3%+6万円)+消費税という速算式があります。
個人が不動産を売却するには、仲介業者である不動産会社に依頼します。不動産を売買したときに、不動産会社に成功報酬を払うことになるのです。
これが仲介手数料(媒介手数料)です。不動産の売買代金に応じて上限は決められています。ただし、仲介手数料は成功報酬なので売買が成立しなければ払う必要は無いのです。契約が無効とか取り消しになった場合も同様です。
②抵当権抹消費用
ローンが残っている土地を売却する場合の費用ですが、手続きが煩雑なので、1万円ほどですが司法書士に依頼します。
抵当権抹消登記が済んでいないと不動産を売却することはできません。
抵当権抹消登記に必要な費用は、
- 登録免許税
- 司法書士報酬
- 事前調査費用
- 事後謄本の取得費用
以上の4点です。
③測量費用
土地の測量は仲介業者に紹介された業者がいいですが、35〜45万円ほどかかります。
測量図には3種類があるのです。
(1)確定測量図
境界確認を、民有地の所有者や道路の所有者(官民)の立ち会いと承認のもとに行って作成されるものです。
(2)現況測量図
塀や既存の境界標の位置から、現況を測って作成された図面のことです。確定測量図以外のもので、次の二つです。
- 隣接地との境界確認を行わないもの
- 民有地との境界確認をした現況測量
(3)地積測量図
登記申請に添付され、登記所に保管される測量図で、確定測量図とは限らない
土地売却では確定測量図が必要不可欠です。
境界確認することによって、正確に図面の作成ができるし、土地の値段を算出したり、隣地とのトラブル予防になるからです。
印紙税、登録免許税、譲渡所得税
さらに税金がかかるのですが、印紙税、登録免許税、譲渡所得税があります。
譲渡所得の計算式は、
譲渡所得=収入金額-取得費-譲渡費用
ですが、収入金額とは売った時の金額で、取得費は買った時の金額と買った時の費用の合計です。譲渡費用は売った時の費用のことです。
取得費とは
- 土地、建物の購入代金や建築代金
- 購入時の税金(印紙税、登録免許税、不動産取得税など)
- 仲介手数料
- 測量費、整地費、建物解体費など
- 設備費、改良費
- 一定の借入金利子
譲渡費用とは
- 仲介手数料
- 印紙税
- 借家人に支払った立退料
- 建物解体費など
- 売買契約締結後に支払った違約金
- 借地権の名義書換料など
ただし、期間の経過によって、生じた減価償却費を取得費の合計から差し引くことになります。
最後に
土地売却にかかる費用は、普通不動産会社に支払う仲介手数料だけを考える傾向があります。
しかしながら、かなり複雑で色々あると実感した次第です。
当たり前のことですが、印紙税や譲渡所得税などの税金も考慮しなければならないです。
できるだけ詳細に知ることによって、不動産会社と交渉ができると思います。
参考文献
- 野澤千絵『老いた家 衰えぬ街 住まいを終活する』講談社、2018年12月
- 野澤千絵『老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路』講談社、2016年12月
- 中川寛子『解決!空き家問題』筑摩書房、2015年11月
- 牧野知弘『空き家問題』祥伝社、2014年12月
- 山崎隆『資産価値を守る!大災害に強い町、弱い町』朝日新聞出版、2014年2月