空き家の解体費用は、約105万円はすると言われます。解体には、近所の騒音対策、解体用の重機の運び込み、廃材搬送用のトラックの手配、解体後の整地用のブルドーザーなどが必要不可欠なのです。
住宅には手厚い調整措置があるにもかかわらず、更地にすると、固定資産税が驚くほど高くなるのです。解体更地化した瞬間になんと6倍にはね上がるのです。
これが、社会問題にもなっていますが、空き家を解体せずに放置したままにしている人が増えた原因かもしれませんね。
解体費用の相場は、建物の構造、広さ、地域、工事の内容によって変わってきます。
木造住宅は、坪単価約3〜4万円です。鉄骨造住宅は、約3.5〜5万円で、鉄筋コンクリート造住宅は、約4〜7万円です。
関西は、どういうわけか解体費用が高く、約234万円です。
その原因として、「隣家壁補修工事」があるからです。隣家で何か補修が必要なら、隣家の工事も行わないといけません。周辺の道路事情が悪いと交通整理のためにガードマンを雇用する場合もあります。
解体費用を安くするには三つの方法があります。
①自治体による補助金の活用
なぜ補助金が出るのかというと、街の景観が損なわれないように、放火や犯罪、不法投棄や害虫の発生を抑えるために支給されるのです。
空き家の発生を抑えるために、国と自治体が解体を促進するため、家の解体費用を一部支給する補助金制度を作ったのです。
役所のホームページを閲覧すると、上限50万円で、建物解体費用の半分を負担する場合もあります。
解体すると固定資産税がもとに戻り支払う額が増えてしまいます。
固定資産税の負担を増やさない対策としては、解体した後に新築を建てたり、駐車場にして、その収入を固定資産税にあてるとか、農地に転用するか、あるいはすぐに売却することです。
②できるだけ自分で行う
廃棄物処理費用を抑えるために、古いテレビ、洗濯機、タンス、ソファや生活ゴミなど自分で処分できるものは自分で行うことです。
面倒だからといって、まとめて解体業者に頼むと高額になってしまいます。
粗大ゴミとして、クリーンセンターに持って行ったり、リサイクルショップに持ち込んだりすれば値段を抑えることができると思います。
③業者を比較検討する
まずは見積もりですね。業者間でかなり値段にバラつきがあるようです。工事方法や保有する設備によっても値段が変動するとのとこと。
2〜3社に声がけして、相見積もりから開始すべきです。優良業者がどうかの確認は必要です。
最後に
普段は思ってもいないですが、解体費用がかなりかかってしまうようです。
安く抑えるには、複数の解体業者に見積もりを出してもらって比較検討することが大事です。
言うまでもなく、優良業者を選ぶのが重要だと思います。
参考文献
- 野澤千絵『老いた家 衰えぬ街 住まいを終活する』講談社、2018年12月
- 野澤千絵『老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路』講談社、2016年12月
- 中川寛子『解決!空き家問題』筑摩書房、2015年11月
- 牧野知弘『空き家問題』祥伝社、2014年12月
- 山崎隆『資産価値を守る!大災害に強い町、弱い町』朝日新聞出版、2014年2月